
ストレスだらけの社会で生きるのがつらい
なんで自分は不安を感じてしまうんだろう
と思っている方に非常におすすめの本、ストレス脳を紹介します。
著者アンデシュ・ハンセンの紹介
著者のアンデシュ・ハンセンはスウェーデン・ストックホルム出身の精神科医です。
「スマホ脳」「一流の頭脳」「最強脳」がベストセラーとなりました。
ストックホルム商科大学経済学部の卒業を目の前にして医学の道を志し、悩んだ末にカロリンスカ医科大学で医学を学びます。その後ストックホルム商科大学でMBAも取得しています。
ストレス脳の要約
その名の通り、ストレスに注目して書かれている本です。
現在の社会はインターネットの発展や物流の発展などで未だかつてないほど豊かで快適な生活をしています。しかし、多くの人が精神的な不調に悩まされています。
人間の歴史上もっとも快適な生活をしているのになぜ不安を感じ、気分が落ち込んでしまうのかー
本書はこの謎について「脳」に注目して迫っていきます。
著者はその答えについて
自分たち人間も生物であること、そして何によって気分が良くなるのかを忘れてしまったせいだ。
ストレス脳 12ページより
と述べています。
人間は健康に生きるために進化したのではない
まず大前提として著者は人間の進化について健康に生きるために進化したのではなく、生き延びて子孫を残すために進化したと述べています。
人間が狩猟採集を中心として生きていた時代、平均寿命は30歳前後で多くの人が成人になる前に亡くなっていました。その原因の多くは感染症や飢餓、出血でした。つまり狩猟採集で怪我をすると起こりやすい症状です。怪我をして傷ができるとそこから菌が入り込み、感染症になりやすくなります。怪我をすることは感染症になり、死亡するリスクが上がることを意味しています。
人間の体はウイルスや菌に攻撃されたり、怪我をしたりすると炎症を起こします。炎症は人間が生きていくうえで必要不可欠なものですが、慢性的になると問題になります。この慢性的な炎症によって引き起こされる問題は人生の後半、つまり狩猟採集時代には達することがほとんどなかった時に起こります。人間が生き残るように進化した中では慢性的な炎症は問題にしなかったのです。
この炎症は菌やウイルス、怪我以外にも肥満やジャンクフード、ストレスによっても引き起こされます。この炎症は慢性的な炎症です。
このような炎症でも体は菌やウイルスによる攻撃だと認識してしまいます。それを避けるためには外出をさけ、引き込ませることが最適であるため感情を落ち込ませ鬱へと導いてしまうのです。
つまり人間が生き残るように進化して得た機能が今の人間を苦しめてしまっているのです。人間が健康に生きるために進化したのではなく、生き残るために進化した結果といえるのです。
精神の不調を解消するには運動が最適

ではどうすればこのストレスがいっぱいの現代社会の中で精神の不調を解消できるのか、
筆者は運動を挙げています。
運動をすることでエネルギーを消費し、免疫系の働きを弱めます。すると炎症を抑えることができるため鬱に陥りにくくすることができます。鬱に運動が効果があるというのはいくつかの研究で証明されています。
不安にも効果があることが研究で明らかになっています。その中で特に重要なことが心拍数を上げることです。運動で心拍数を上げることで不安なときに心拍数が上がっても大惨事にはならないということを身体に覚えさせることができます。つまりストレスがかかっても過度に反応してはいけないと身体に覚えさせることができるのです。
このように運動を続けていくことで感情も落ち着き、心配が減り、自信もついていきます。
ストレスを感じている、不安が多いと思っている方は運動を始めるべきです。
ストレス脳の背景
筆者は「過去の人々とは比べものにならない豊かさと贅沢の中で暮らしているのに、なぜ精神的な不調に苦しめられているのか」をずっと考え、これを解明するために精神科医になったと述べています。
つまり精神科医になってから筆者が学んできたことが凝縮されているのが本書です。
精神科医ならではの視点で脳からストレスや不安、鬱について述べています。日本語版が販売される前にスウェーデンで刊行され、読者からは脳の中の仕組みを学ぶことで自分を見る目を変え、自分に優しくするという感想をもらったということで効果が確認された後に本書は日本語に翻訳されています。
おすすめの人
本書はストレスや不安に悩まされている方はもちろん、生き方に悩んでいる方にもおすすめです。
特に自分と同じ大学生、大学院生の方はこれから社会に出て生きていく中で大切なことが学べると思います。
まずは毎日の運動から始めていきましょう!!
この記事で興味を持った方はぜひ実際に本を手に取ってみてください。
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